Lifestyle Innovation | Soseki21

つぶやきのまとめ。とりとめのない思考を書き綴っています。

情報の波が強すぎる。

サーフィン:Soseki21ブログ

 

レコメンデーションエンジン(検索エンジンSNSECサイトのおすすめ機能)について思ったこと。Googleアルゴリズムが8月2日に変更されたことを聞いた覚えがあります。確かに賢くなった印象です。けれども賢すぎて困る。ひとつ検索してページを見て、次に検索すると順位が変わっているんですよね。

昨日、キーワード検索で情報を探していて、ページを読んで再度、検索したところ「あれ?さっき表示されていたサイトはどこいった?」ということがありました。ぼくの錯覚かもしれないけれど、おそらく読んだページから最適化して、二度目の検索ではランクの順位を自動的に組み直したのではないかな、と。

検索するたびに新しい情報を得られることは便利なのですが、ぼんやりしていると検索エンジンのレコメンデーション(おすすめ)に誘導されて「ほよよよよよよ~」みたいな感じで、遠くへ連れ去られる。ネットサーフィンという言葉が遠い昔にありましたが、検索による波が強すぎる。波にのみ込まれる。

「最近、めがねの情報がやたら表示されるな。流行ってんのかな」というのはまったくの錯覚で、自分がめがねの情報を発信したか、その情報を検索してクリックしたから、めがねの情報に包囲されてしまっただけで、世間一般では、誰もめがねなんて気にしていないかもしれない。ちょっとキケンです。

つまり「おのれの因果(クリック)で世界が変わる」。批判的な情報をクリックしていると検索もSNSのタイムラインも批判的ワールドで埋め尽くされ、自分がその世界を創り出しているにもかかわらず「ああ、世界ってもうダメだ!」みたいな空気になる。おっと、このつぶやきもアブナイかもしれん。

言語学者チョムスキー氏が批判していたかと思いますが、アメリカは湾岸戦争などで情報操作を行ったといわれています。しかし、情報を操作しなくても、自分が「情報に操作されちゃう」わけです。たったひとつのクリックが世界を塗り替えて、クリックするたびに世界はどんどん偏向したものになる。

自分のサイトが検索上位にあって「ふっふっふ」と喜んでいても、単に自分が自分のページをよく読んでいるからで、検索エンジンが自分向けにカスタマイズされただけかもしれません。色即是空、空即是色の仏教の教えにしたがえば世界は無であり、しかし無から縁をつなぐことで世界がみえてくるわけです。

そもそも「自分」は(現時点のテクノロジーにおいては)「他人」にはなれないので、自分のみている世界は他人にはみえないし、他人の視点から自分をみることはできません。が、ネットのレコメンデーションエンジンがAI搭載して強化されると、より自分の世界と他人の世界は乖離(距離がはなれる)する。

このとき必要になるのは「視界にないものをキャッチする、見えないものをみる感覚」と「強靭な自己肯定感、自尊心」ではないかと思いますね。カスタマイズされた情報に溺れると自分を見失うので、自分はいまここにいる確かさが大切。けれども自分に固執することなく、世界を感じる能力が必要。

ある方がブログで「初心者にはアクセス解析や評価が見れない仕様にすればいいのに」と語っていて共感しました。レコメンデーションはもちろん、解析の数値や評価で、せっかくブログやSNSを書いているのに不幸な気分になったり、誰かと無駄な論争や競争をしたり、比較して落ち込むことがある。

いま自分の窓には青空が拡がっていますが、誰かの窓には雨が降っているかもしれないし、銃弾が降っているかもしれない。また、青空の向こうは真空のまっくらな宇宙が拡がっている。「この青空は、ほんとうに青空か?」と疑うことが必要。しかし「青空は青空だよね」とばかみたいに信じることも大切。

 

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ブログの普及にともなって、CGM(Consumer Generated Media :消費者生成メディア)という言葉も使われるようになりました。企業によるマスメディアだけでなく、個々の人々が情報を発信してメディアをつくることができる、という考え方です。一方で、グーグルによる言論統制のようなことも言及されるようになりました。検索のランク上位に表示されること、検索そのものが情報社会を統制する力を持つようになってきています。

チョムスキーのドキュメンタリーである「チョムスキーとメディア――マニュファクチャリング・コンセント」は1992年の作品ですが、ブログを中心としたインターネット社会である現在においても色褪せない問題を提議してくれます。

2割の高等教育を受けたものたちが、その他8割の何も考えを持たないひとたちを統制する。巨大な企業複合体となった新聞社やテレビ局は、情報を操作している――「マニュファクチュアリング・コンセント(合意の捏造)」というキーワードから、歴史がどうやって作られるのか、ジェノサイド(大量殺戮)の真実はほんとうに国民に伝わっているのかという事実を、チョムスキーは、綿密なリサーチをもとにしながら痛烈な批判として展開していきます。

 

2007年3月17日の過去ブログより引用。

birdwing.sakura.ne.jp

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