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思考のあしあと、生活の記録。

批判の意義、異端者が拓く世界。

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岡本文宏著『できる人材がすぐに辞めない職場のつくり方』がAmazonから届きました。大変失礼で恐縮だが率直な感想を述べると、目次を読んで、あまりの凡庸さに愕然としました。当たり前のことばかりじゃねえか。薄味すぎないか。そもそも人材が流動的な時代に、辞めない職場は必要なのか?

なぜ岡本文宏氏の人事労務管理の本に凡庸さを感じたかといえば、このところ白取春彦氏の本を2冊同時進行で読んできて、言葉の背後にある重層的な東洋と西洋を問わない知恵に感激を受けたからだと思います。ぼくは岡本文宏氏のような浅はかな「茶飲み話の人材論」が日本を傾かせている気がしてならない。

だいだいだな、岡本文宏氏の本は帯に「(人手不足の)解決策はここにあります」と書かれているのだが、本の中に解決策なんてないだろう。あるとすれば現場で当事者が考え抜いた末に見出した答えがそうだろう。あらゆる企業の問題を解決できる「魔法の杖のような」ソリューションなんてない。

ぼくはひとり法人をやって、スタッフ部門つまり経理や総務や人事のありがたさを痛感しました。しかしながら、まだ目次を読んだだけに過ぎないが、岡本文宏氏の本の目次を読む限り「人事はもっと勉強したほうがよいんじゃないかなあ」と感じましたね。もちろん、そうではない優秀な人事担当者もいるだろうが。

入社直後はプチイベントをしましょう、1週間後は食べながらお話して、作文を書いてもらいましょう、1ヶ月後は家族を味方につけましょう・・・って、岡本文宏氏はそれが「辞めない人材対策」として自著で提案しているのだけれど「小学生かっ?!」と思ったぞ。ただ、それが日本の現実なのかもしれん。

Amazonで評価されていたので岡本文宏氏の本を購入したのだが、春だけにサクラを使って評価を水増しした本だったのかもしれない。ただ、ほんとうに人事関係者がこの本を絶賛しているとしたら、日本の企業はGAFAに追いつくことなど絶対にムリ。技術の問題以前に、HRMのレベルが幼稚すぎ。

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日本の産業や経済が失墜したのは、モノづくりや技術革新(イノベーション)ではなく「人事」ではないか?ヒト、モノ、カネ、情報が企業では重要という。「弊社の資産はヒトです」という会社が多い。ところが実は不祥事の多発を挙げるまでもなく「人事」が日本をダメにしている気がしてならない。

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いま、ありがたいことにたくさんの仕事の機会をいただいています。しかしながら、自分が追いついていない。そこで昨夜は、あえて「書籍に対して辛辣な批判」をツイートしてみたのですが、しゃきっとしました。というのは、その言葉は必ず「そういうお前はどうなんだ?」と自分に返ってくるからです。

ときに批判は大切で自分を研ぎ澄ませてくれます。ただ、客観性がなく感情的に盲目になった批判と、いつまでもうじうじと固執する批判はダメですね。自分を貶める。そうじゃなくて「これから自分は批判モードに突入する!」と宣言して自分をマネジメントしながら批判するといい。オトナの思考です。

で、批判モードが終わったら「批判モードを解除しまーす。全員(って誰だ?)通常業務に戻ってくださーい」と自分に声をかけて、何もなかったようにふつうの生活を営む。ぼくは批判を「主義」や「思想」にすることを好みません。なんかね、じめじめしていて鬱屈した陰湿さを感じるので。

「まあまあ、そういう激しいことを言わずに穏便にまいりましょう」というのは、おっさんの思考だと思う。とても青くさいのですが、「オレがこのクソくだらんものを変えてやんよ!」みたいな、ロックというかパンク的な精神をいつまでも持っていたいですね。仕事はもちろん、あらゆるものに対して。

まあ、どうでもいいものに対しては何も語りませんけれども。誰かが言っていたように、愛情の反対は憎しみではなく「無関心」なので。しかし「これを言ったらマズイかなあ。誰か傷つくかも」みたいなことを空中リプライしているようであれば(言い方は工夫するとして)言っちゃったほうがいいでしょ。

善なるものも悪なるものも、言葉化されなければ他人に分からないわけで、言葉化することによって共感も生まれれば反感も生む。言葉を発すれば必然的に言葉にされなかった何かを排除しているので、アンチや反論が生まれるのは当然です。むしろ賛成ばっかりのファンクラブや仲間は不健全だと思う。

「あの作品素敵だったですー」という感想は心地よいものですが、その心地よさの麻薬に浸りすぎると、「これはどうかなあ」というホンネにむかっとするようになり、徹底的に排除にかかる。ところが、「これはどうかな」という裸の王様を批判する言葉のなかに本質があるかもしれません。

とはいえ自分に限っていえば、人間なので(異星人ではない)、時間を割いて全力で作ったものを簡単に「これはどうかな」と批判されたら「てめえに何が分かるんだよ。お・ま・え・がやってみろ!」と思いますけどね(笑)逆に、自分が批判した誰かもそう思って当然だと考えます。そりゃそうだ。

なかなか大変とはいえ、たまには批判に耳を傾けることも大切です。そこから新しい創造のヒントが生まれるかもしれない(不毛なだけで何も生まれないかもしれない)。また、批判は完全にスルーして、評価を無視して「自分のやりたいことだけを追究」していくのもアリです。ヘンリー・ダーガーみたいに。

同質化して異端を排除すると必ず組織は淀み、成長できなくなると感じます。むしろ批判的立場が新たな視点を与えてくれて、健全な議論を行えば成長の機会になる。というよりも単純に「おまえバカじゃねえの?」という変人が組織にひとりぐらいいた方が「楽しい、面白い」のでは。変人集団は困りますが。

 

できる人材がすぐに辞めない職場のつくり方

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