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Lifestyle Innovation | Soseki21

思考のあしあと、生活の記録。

選択しなかった選択肢が、ぼくらを生かす。

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人生は選択の連続だな、とあらためて考えます。ネットワーク的にいうとノード(分岐点、交点)が無数にあるという感じでしょうか。優柔不断に迷っている状態は、考えようによっては「何もしないことを選択している」、つまり「現状維持を選択している」のかもしれません。

選択は、ある意味、選択しなかったものを排除することです。選択によって切り捨てられるものがあります。分岐点で足踏みをしたり勇気が出なかったり優柔不断になるのは「選択すること」より「切り捨てられないこと」が原因であると考えます。少なくともぼくには、そういう傾向がある。決定的な選択肢があるときは別として、どんぐりの背比べで消去法で選択できないときに思考が滞る。

選択した未来の背後には、選択されなかった無数の「未来の亡霊」がいます。選ばれなかった選択肢の亡霊に悩まされて後悔もします。しかしながら、それらは脳内に存在する架空の世界。妄想であって現存しません。選択しなかったアレコレはすぱっと忘れちゃっていいと思います。

選択しなかった過去に執着するのは、眼前に拡がる「可能性の海」に気づかないから、という理由もあります。

たとえば、一生の恋人のような運命の女性と別れてしまった、としましょう。オレの人生はおしまいだ、彼女を失ってしまったら、もう生きていけない、と悲嘆するかもしれません。しかし数ヶ月後、別のあらたな出会いがあって「いや、キミに出会うためにぼくは生きてきたんだ」みたいにケロッと立ち直っていたりして。

希望する道に進むことができずに、ああ、もうオレは脱落者だ、と絶望することもあります。しかし、絶望して仕方なく進んだ脇道が、希望する未来へのバイパスということも、なきにしもあらず。

機会を損失しても「いくらでも得られる」自信があれば、悲嘆も絶望もないですよね。ばいばーい、と手を振って、ずんずん選択した方向へ歩き出しちゃった方がいい。

人間の眼球がなぜ前を向いていると思いますか?

きっと前方を、未来を見るためです。

ご縁も見極めが大切であり、選択が求められます。

あらゆる縁に八方美人になっていると、逆に良縁を逃すというのが自分の見解です。これはチャンスか、あるいはチャンスにみせかけたフェイクか、ジャッジする能力が大切。大切なご縁は徹底的に大切にして、どーでもいい縁からは離脱する。それが選択の達人のわざである、と。全部を選ぼうとする強欲な人間は、結局、全部の縁に見放されるのではないか、と考えています。

他人には優しくありたいのですが、切るべきときには容赦なく切るソリッドな生き方がさっぱりしてよいのでは。ま、切れば切られた相手は何かいいたくなるでしょう。恨み節とか、粘着的批判とか。しかし他人が自分をどう思おうが勝手でしょ。なぜなら、他人の思考や批判はコントロールできないじゃないですか。「これは要らん」と自分で考えたことを、他人がどうこう言う筋合いはない。さくっと捨てちゃった方が身軽になれることもあります。

同様に、自分が切られても仕方ないことです。それが漱石個人主義の考え方であり、個人の成長を尊重するのであれば、他人の成長も尊重すること。これが大切です。

「家庭と仕事の両立」といいますが、よく考えると家庭と仕事を同時にできないじゃないですか。分身でもしなきゃできない。両立できているひとは、家庭に関わるときは家庭に、仕事に関わるときは仕事に「スイッチングがうまい」のではないかと考えます。家庭と仕事を瞬間的に切り替えているわけです。

家庭にいるときに仕事を、仕事をしているときに家庭を、というように眼前にないものを考えるから、どちらも中途ハンパになる。

ワークライフバランスという陳腐な言葉でまとめたくないのですが、要は「いま眼前にあるものに没頭し誠実に関わる」ことが重要です。つまり「妄想を現実に織り込まない」。

ちょうど受験の時期も終わり、進路の「選択」に、うーんなんだかなあ、と満足いかない方もいらしゃるでしょう。しかし幸運にも2つの学校に合格した場合、カラダがひとつである以上、どっちの学校にも通うことはムリであります。

選んだら選ばなかった学校のことは忘れてしまうのがいい。妄想に粘着すると「いまここ」を楽しめないんじゃないかな。あるいはこだわりたいならぶつぶつ言ってないで、浪人でもして、徹底的に進むべき道を諦めずに挑戦する人生を「選択」することです。

ところで、かなり前に新しいパキラが自宅の観葉植物の仲間入りをしました。トイレに置かれているので、かわいそうになって、時折、天気のいい日は日当たりのいい場所に出して水をあげていました。ところが、どういうわけか葉っぱが枯れてしまった。調べてみると、観葉植物に水のあげすぎは厳禁である、と。

観葉植物の土は乾いているぐらいの方がよいそうです。常識かもしれないけれど、無知でした。ショックだったな。他の観葉植物も毎朝、水をあげるのを控えたところ、変な色だった葉っぱがきれいに変わってびっくり。変な色の葉っぱは(かわいそうな気もしましたが)むしってしまうと、ますます元気になりました。

葉っぱが変な色になったり枯れそうな状態になっているときには、何かのメッセージを発しています。気づきませんでした。観葉植物の気持ちが分からなかった。いや、しゃべらないから分からないのは当然なのだけれども、きちんとメッセージを発していたんだな、彼もしくは彼女は。無知な自分が「水をやれば元気になる」と思い込んでいただけです。

剪定や間引きにも意味があります。引っこ抜かれちゃった芽のことを考えると、ちょっと切ないものがありますが、健全に育てるためには必要な場合があります。ちなみに悪しき人種を絶滅させよ、みたいなヒットラー的な意図はありません。

引っこ抜かれちゃった植物には、残された植物を大きく育てるために「存在の意義」があったと考えます。だからきっと、その想いを受け取って、残された植物は大きく育つのではないか、と。

ぼくらが生きているのは、想いを遂げられなかった数々の生命のおかげで、ありがたいことです。ということをぼくは永松茂久氏の『感動の条件』という本で読みました。太平洋戦争のときに知覧から沖縄に飛び立った特攻兵の遺書が引用され、次のように書かれています。

何気なく生きている僕に与えられた『今』という時間は、生きたくても生きられなかった人たちが心から望んだ時間なのだ。

泣ける言葉でした。どんな理由かは分からないけれど、ぼくらは生きることを選ばれている。そのことに感謝したいと思いました。そして選ばれた生のなかで、よりよい生き方を選択することが求められているのだと考えます。

観葉植物の水のやりすぎで思い出したのだけれど、幼い頃に文鳥のひなを買ってもらったことがありました。かわいいので手に乗せて注射器で餌をあげていたのだけれど、どんどん食べるからどんどんあげていたら、手の中で眠るように死んでしまった。号泣したなあ。まさか餌のあげすぎで死んじゃうとは。

観葉植物の水のやりすぎと、文鳥の雛に餌をやりすぎたことから学ぶべき教訓は、GIVE&GIVE&GIVEは大切だけれど「与えすぎはよくない」ということです。与えすぎると成長するはずのものを枯らしてしまい、生命を奪うこともある。子供や愛する誰かに対する態度も同じかもしれません。最適化(Optimization)が大切。

文鳥のひなだけではありません。子供や孫がかわいいからといって、なんでも与えるのは、大人の自己満足でしかない。必要以上のものを与えれば子供は弱体化するし、自分でものを考えなくなる。与えるべきものを与えて、適当に放任して置いたほうが子供は自主的に工夫する。足りないものを埋めようと考える。

子供や孫を可愛がりすぎて、親のオモチャにしてはいけないと考えます。善意のようにみえますが「甘い毒」ですね。子供のためにはならない。

恋人などとの関係もそうかもしれません。愛するからといって与えすぎると負担になることもある。与えることができなくなったとき、落差から不満を感じさせることにもなります。奪うだけの愛情は論外として「適切な愛情を与える」ことが、愛情を持続させるためには重要なことかもしれないですね。その適切が難しいんですけど。

人生は長い。長いと思っていると走馬灯のように過ぎ去ってしまうので気が抜けませんが、選択と排除の連続に疲れたら、ぼんやり「現状維持」を選択してみるのもいいんじゃないでしょうか。

現状維持は何も選択していないようにみえますが、その間に、脳内でとんとん未来に備えて靴を作っている細胞たちがいたり、風向きが変わったりするものです。また、走り出す前には助走が必要です。

心理学ではプラトーというようですが、スポーツも勉強も飛躍的成長の前には「踊り場=停滞期」があると言われます。だから、あえて選択しないという選択もあります。

しかし、選択を決めたら潔く選ぶ。一方で、選択しなかったものたちにも感謝する。選択されたものは、選択されなかったものたちによって生かされています。たとえば受験に合格したキミは、掲示板に番号がなくて涙を流した仲間たちを思いやり、その仲間たちのためにも生きよう。

自分が選んだ道ならば、ぐちゃぐちゃ言い訳せずに、自分の選択に誠実に、丁寧に、真剣に生きようじゃないですか。ま、押し付けないけどな。ぼくはそうする。

 

■参考

a-t-g.jp


12.01_桜文鳥・挿し餌.AVI

 

感動の条件 ~あなたの一生を1時間で変える本~ [DVD付]

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