Lifestyle Innovation | Soseki21

つぶやきのまとめ。とりとめのない思考を書き綴っています。

緊急事態宣言が出たので、最近観た映画5本を振り返った。

 

ムービー:Soseki21ブログ

今宵の満月は「ピンクムーン(ももいろ月)」だそうです。セーラームーンじゃないよ。といっても、ぼくはセーラームーンのことをよく知りません。男子だからな。「薪をつかって箸置きよ」みたいな台詞があったような、ないような。まあいいか。

アメリカの先住民族は、1年それぞれの満月に名前を付けていたそうです。なかなか趣きがあるじゃないですか。といっても、テレビやインターネッツがないばかりか、スマホで「ポケキャン(どうぶつの森ポケットキャンプ)」で遊べなかった遠い昔、夜には星や月をみるのが楽しみだったのかもしれません。そんな生活もいいかもしれないですね。

COVID-19つまり新型コロナウィルスによって、緊急事態宣言が出されたトウキョーの夜に、遠い国の昔に思いを馳せてみました。

緊急事態宣言が出されようが出されまいが、基本的には自分は在宅勤務です。なので、関係ないといえば関係ないのだけど、Amazonプライムを使い倒そうと考えたので、最近、映画をたくさん観るようになりました。劇場に足を運ばずにオンデマンドで観る映画もよろしい。布団にもぐってスマホで観ることもできるので便利です。

そんな映画のなかで「これは、現在観ておくべき映画かもしれない」と感じた作品がいくつかありました。ツイッターのつぶやきを拾いながら、まとめてみます。

 

わたしは、ダニエル・ブレイク

わたしは、ダニエル・ブレイク (字幕版)


「わたしは、ダニエル・ブレイク」予告編

 

心臓病のために仕事を医師から止められているが、仕事ができるとみなされて行政のややこしい申請にたらい回しにされる老齢の大工と、ロンドンから移住したふたりの子どもを持つシングルマザーの物語。パンデミックのロックダウン(緊急時のため道路や公共施設が封鎖されること)によって、海外では失業率が高まっていると報道されています。そんな現在、切実に考えさせられました。

この映画で、ケン・ローチ監督は貧困に関するテーマを鋭く描いています。マニュアル通りの対応しかできない職業安定所の職員、インターネットではないと申請できないためパソコンを使ったことのない老齢の大工の困惑、住んでいた街を追い出されて、ふたりの子どものために自分の食事まで切り詰める若い母親。

病気で仕事ができないにも関わらず、職業安定所に通わなければ生活費が得られないという矛盾を抱えた老齢の大工と、異国から移住して失業に苦しむシングルマザーとのつながりがあったかい。けれども貧困は、「つながり」だけではどうしようもない現実があります。

お役所の決まりごとに縛られ、書類が審査に通らず電話もつながらず、自分自身が生活していけるかどうか危うい。にもかかわらず、ダニエルは通信制大学に通うケイティを気遣います。そんな彼を「何か困ったことがあったら声をかけてくれ」と周囲の知り合いも気遣うわけです。ただ、貧困は気遣いだけでは何にもならない。そんな無力感に打ちのめされました。

最低限の生活が保証されなければ、生きることができなければ、どんなに周囲の気遣いがあっても貧困は変わらないのでは? これはCOVID-19によって、現在まさにぼくらが直面している日常であり、ぼくらは保険者番号でもなければ、統計的な数字のクラスターでもない。

COVID-19から在宅勤務という働き方をせざるを得なくなった方も多いかもしれませんが、同時に、ベーシックインカムについて真剣に検討する契機ではないかと考えます。そのためには的外れな行政施策や、わかりにくい申請制度は問題外で、貧困者ひとりひとりについて考えることが必要である、と。

映画を観ているときは真剣だったので泣けなかったのですが、あとで予告編を観たところ泣けました。インターネッツの世界もテレビも深刻な情報ばかりで滅入ります。楽しい話題が必要です。しかし、現実は現実として静かに受けとめたい。

そんなことを考えていたら、スペインで「ユニバーサル・ベーシック・インカム(最低所得保障制度)」の導入が決定され、コロナの脅威が去ったあとも持続するとのこと。さまざまな見解があるかもしれませんが「働き方改革」みたいな軽々しいキャッチコピーではなく、社会を根本的に変える局面にあると考えます。

(4月5日鑑賞)

forbesjapan.com

 

シンドラーのリスト 

シンドラーのリスト(字幕版)


シンドラーのリスト - 予告編

 

泣いた。戦争の狂った殺戮から人間を救うことができるのは、もしかすると「ビジネス」もしくは「ひとりの人間の強固な意志」ではないか。ツイッターでフォロワーの方に紹介いただいた映画ですが、観てよかった。というよりも、いま観ておくべき映画であると感じました。

スティーブン・スピルバーグ監督の作品で、モノクロの深みが美しい。物語は、ナチスの大量虐殺が行われる時代、戦争のどさくさに紛れて、シンドラーは鍋をつくる工場で大儲けします。そして、ユダヤ人を安い賃金で雇う。しかし、そうやって雇うことで最終的にはそこに働いていた11,000人もの従業員をガス室に送らずに命を救います。

あっという間に終わったと思ったのだけれど、ふつうの映画1.5本分ぐらいの長さ(3時間15分)でした。「胡蝶の夢」というか、映画に没入する時間は刹那ですね。モノクロだからこそ記録映画のようで抑制された演出だったから、さらにそう感じたのだと思います。しかしながら、これが「実話に基づいている」ところがすごい。

遅読なあまり、ユヴァル・ノア・ハラリ著『21 Lessons』をまだ読んでいるのですが、11の「戦争」をちょうど読んでいたところでした。そこで本の内容とつながって「戦争を起こすのは国家ではないのでは?」という漠然とした疑問が浮かびました。

さらに「人間を救うのも、国家や行政ではないかもしれない。ある企業家や偉大なビジネスを成し遂げた人間が人類を危機から救うのではないか?」と。

そんなとき注目したのは、マイクロソフト社の創設者でもあるビル・ゲイツ氏が、COVID-19に対するワクチン研究に対する研究投資のニュースです。7つの有効とされるワクチンの工場に投資したそうで、意図としては5つが無駄に終わったとしても2つが成功すればよい、と。「さすが偉大な経営者だ」と唸りました。確かに有効なワクチンを見極めて時間を費やすより効率的では。

危機的な状況にあるときに「どういう行動を起こすか?」によって、リーダーの真価が問われると考えます。もちろん富裕層や政府が惜しげもなく支援することは素晴らしいことですが、ビル・ゲイツ氏はより実践的です。現状を救うだけでなく、未来を向いていると感じました。

IT業界で激しい競争の時代を生き抜いてきたからこそ、ビル・ゲイツ氏は「問題解決(ソリューション)思考」が自然にできるのではないか、と感じます。単なるITバブルに浮かれて、名前を売るためにメディアに露出したベンチャー企業の経営者とは格が違う。なんとかミクスの政治家よりも。

ビル・ゲイツのような人間が、現代のシンドラーになり得る可能性を秘めているのではないでしょうか。

(3月14日鑑賞)

japanese.engadget.com

21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考
 

 

 

『ゴースト・イン・ザ・シェル』 

ゴースト・イン・ザ・シェル (字幕版)

 
『ゴースト・イン・ザ・シェル』 | 幕間映像

 

アニメをまったく観ないので「攻殻機動隊」を知らなかったのだけれど、タマシイ(ゴーストとしての脳)をシェル(義体)に詰め込んでサイボーグ化することか、という理解をしました。その文化が基盤にあるから、サイボーグが巷で話題になるんだな、ということも、いまさらながらに「なるほどね」と。

冒頭がちょっとエグい印象で、リドリー・スコット監督の『ブレードランナー』1作目を派手にしたような都市の映像に戸惑いを感じましたね。北野武ビートたけし)さんは存在感あるな、と思いつつ「もっと台詞が少ないほうが、たけしさんらしいのになあ」と考えて、なんとなく前半は集中できませんでした。

ついでにいえば、スカーレット・ヨハンソンはやっぱり素敵で黒髪も似合うと思いつつ、武装しているとはいえ、もうちょっとダイエットしたシェルのほうがよいのでは、と余計なお世話な感想をいだきました。が、物語が進むにつれて没入感が高まり、気にならなくなりましたけれども。

スカーレット・ヨハンソンの起用に際しては「草薙素子」を白人が演じることに対する批判があったようです。ただし、タマシイを覆うシェルはいかようにもなるわけで、ぜんぜん問題ないとぼくは考えます。むしろ国籍や人種のない仮想世界を描いているのだから、いいんじゃないのかな。

シェルの能力を最大限にすれば人間の体力を越えて、身体的に不老不死が可能になるかもしれません。壊れても代替可能なら半永久的に生きられる。ゴースト(タマシイ)、つまり記憶や人間性自体のバックアップが可能になると、アンパンマンじゃないけどアタマの交換さえできるかも。

シェルによる義体(サイボーグ化)の技術はもはやSFの世界ではなく、ITとバイオテクノロジーが進化したおかげで、現在、身体の不自由な方々に感動をもたらしています。しかし過剰に人間の身体能力を拡張すれば、国家の軍事力や軍需産業に利用される。そんな危険性と諸刃の刃であると感じます。

ただ、義体じゃなかったとしても、ぼくらの身体は簡単に壊れるし、村上春樹さんの「卵の殻のように脆い」という発言を思い出したりしたのだけれど、人間そのものがシェルという壊れやすい身体に包まれた儚いゴーストという存在である気がしました。

脅威という面からいえば、個人的には原子爆弾より、身体能力を拡張したシェルによってサイボーグ化された人間より、「生物兵器」が最も怖い気がします。人間が故意に作り出したものでも、環境破壊によって地球が自然に作り出したものでも。

つまるところ、いまは戦争よりもCOVID-19が怖い。

(3月7日鑑賞)

 

 ジョン・ウィック 

ジョン・ウィック(字幕版)


【映画 予告編】 ジョン・ウィック (本予告)

 ジョン・ウィック:チャプター2 

ジョン・ウィック:チャプター2(字幕版)


ジョン・ウィック:チャプター2(予告編)

 

キアヌ・リーブスが最強&かっこよすぎて2本連続で観てしまった。内容的には妻を失い、その思い出にまつわるモノを盗まれたがゆえに、マフィアに挑む孤独な暗殺者の物語です。とにかく強い。不死身。しかし、冷静に考えると「シューティングゲームの映画版」という印象もあります。でも、アドレナリン出た。よかった。

鑑賞を終えて自虐的に考えたのですが、契約によって守られている暗殺者の状態はサラリーマンの象徴で、掟をやぶることにより誰からも守ってもらえず、賞金をかけられて、あらゆる競合から狙われて戦い続けるキアヌの存在は「フリーランス」そのものではなかろうか。

そんなわけで、とても主観的に過ぎないけれど、もしサラリーマンのかたが「フリーランスってどんな気持ちで働いているのだろう?」と思うなら、この映画を観て「あらゆる人間から追われるキアヌ演じるジョン・ウィックこそフリーランスである」と私は主張したいですね。

COVID-19のためにテレワークをして「ああ、フリーランスっていつもこんな感じなのね」というのは、違うと思います。フリーランスは、戦わないと死んじゃうのだ。泳ぎ続けないと生きていけないおサカナさんのように。でもまあ、テレワークみたいな状況がフリーランスだ、というのは間違いではない部分もありますが。

言い換えると「フリーランスの理想形は、キアヌが演じるジョン・ウィックである」。つまり、強靭な体力と精神力+知恵や技術の武装によって、強大な組織と戦う孤独なチカラが求められるのではなかろうか。アドレナリン出ちゃって熱くなっているけれども。

なのでまず、健康が大切です。いまぼくは痛風になってしまい、きんきんに両足を保冷剤で冷やしてなんとか生き延びていますが、生き延びるためには健康でなくてはいけない。だからみんな自宅にいよう。そして、手洗いを徹底しよう。

落としどころは、そこなのか?!まあいいや。

(3月8日鑑賞)

ちなみに、もはや緊急事態宣言が出て、街に出るひとは少なくなったと感じます。それでも、まだ危機感のないかたは、以下の動画を観ることをおすすめいたします。

 

うちの近所では、サクラはほとんど散ってしまいましたが、2021年の春には穏やかにお花見ができるといいですね。みなさまが健やかでありますように。